シャーリングとスモッキング刺繡

こんにちは。
ロンドン帰りのソーイング男子・店長のキッシーです。
先日、DVDを借りてソフィア・コッポラ監督の「マリーアントワネット」を観ました。
公開当時は賛否両論あったそうですが、
マリーアントワネット演じるキルスティン・ダンストが好きな僕にとっては
ビジュアルがガーリーで可愛いらしく、ちらりと映るコンバースのスニーカーも違和感なくて。
好きな作品でした。
また、同じマリーアントワネットでも遠藤周作さんの小説「王妃・マリーアントワネット」は
彼女の言った言葉として有名な「もしパンがなければケーキを食べればいいじゃない」に代表されるような
イメージではない彼女の姿を知れて、とっても面白かったです。
あっという間に読み終えた記憶があります。
実は、そのマリーアントワネットが世間に流行らせたファッションの一つがシャーリングワンピース。
その当時、シャーリングのお洋服は寝間着やリラックスするためのお洋服だったそうです。
ある時、マリーアントワネットはシャーリングのお洋服を着て肖像画を描いてもらいました。
それを見た市民は、「寝間着で肖像画になるとは何てことだ」と批判したそうですが
その後、貴族の間で流行り、市民にも広がったそうです。
今や、普通にワンピースの種類の一つとして存在していますよね。
シャーリングとは等間隔にミシンでステッチを入れてギャザーを寄せたデザインの事です。
下糸をゴムの糸にする事によって等間隔に綺麗にギャザーが入ります。
胸元や袖口などに入っている事が多いですね。
下糸がゴムのため、ギャザーが伸び縮みするため着やすいです。
それと似たようなデザインがスモッキング刺繡です。
こちらは生地に細かくひだを作り、そのひだ山に刺繍糸で幾何学模様等のステッチをいれていく手法のことです。
シャーリングのようにゴム糸で縫うのではないので伸び縮みはしませんが
ひだ山の上から刺繍糸で色々なデザインをする事が出来るのでアーティスティックです。
お花や動物、スウィーツ等、あらゆる物をモチーフにした可愛いスモッキング刺繡のお洋服が子供服には存在します。
シャーリングやスモッキング刺繡をする際に
生地がチェック柄やストライプだと目安になりやすく作りやすいのですが
無地の場合は真っすぐステッチを入れるのが難しく高度な技術が必要になります。
シャーリングはミシンがほとんどですが、
スモッキング刺繡の場合はミシンと手作業のどちらもあります。
ミシンだと機械なので一定の同じ力で刺繍をする事になり
手刺繡の場合だと、編み物と似ていて手加減が自由に出来るので仕上がりがふんわりと立体的になるそうです。
Takakoでは、ずっと長くお付き合いして頂いているイタリア・フィレンツェのブランド「Caf」から
職人さんによるスモッキング刺繡のワンピースを仕入れていたのですが、
イタリアでは職人達の数も減り、生産が難しくなってきたとおっしゃっていました。
また、同じくイタリアブランド「Malvi」もスモッキング刺繡は全て手刺繍ですが
フィリピンで作業しているそうです。
手作業によるふんわりと暖かい刺繍が味わえなくなるのは寂しいですね。
僕も一度は挑戦してみたいと思い、キットを買ったままに・・・。
お正月のお休みにでも挑戦してみようかな。

是非、職人さんによる手仕事のぬくもりや技術を感じてみて下さい。
急にひんやりと肌寒くなってきましたね。
冬物のお洋服、種類もサイズも豊富に入荷しております。
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ビルの5階ですが、皆さまのお越しを心よりお待ちしております!